包括的視点を持ってクライアントの身体の状態を評価する

前述した通り、一人のクライアントが複数の身体のトラブルや痛みを抱えていることも少なくない。そして、それらの身体のトラブルや痛みが一つの原因によって引き起こされていることも多い。

例えば、近年注目されている整形外科的疾病概念の一つに、骨盤交差症候群があるが、これによって腰痛と蓋靭帯炎が引き起こされる可能性がある。クライアントが膝関節の痛みを訴えパーソナルトレーニングを開始した場合、まずは膝関節の痛みを取り除くことを目的に大腿直筋の過緊張を緩和させるリコンデイショニングプログラムを提供することが多い。

しかし、このクライアントが骨盤交差症候群の状態を呈する場合、大!腿直筋の過緊張の緩和だけに目を向けていると、根本的な改善に至らず、再発を繰り返すことにもなりかねない。骨盤交差症候群は矢状面において骨撒の対角誠上に位置する筋の機能障害であり、腹直筋ー大殿筋の抑制、弱化、腰背部筋群ー股関節屈筋群の充進、過緊張を呈するのが特徴である。そして、これらの筋群密接な関係性を形成している。徒って、例えば股関節屈筋群の一つである大腿直筋の過緊張を緩和させるためには、腰背部筋群の過緊張を取り除くとともに腹直筋、大殿筋の筋力強化も必要となる。これらのアプローチがなければ、根本的な改善に至らないケースも多いのである。

このように、クライアントに対してリコンディショニングプログラムを提供するうえでは、身体のトラブルや痛みの原因を包括的な視点から捉える必要性がある。

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