パーソナルトレーナー

パーソナルトレーナーはどんなクライアントに対しても、ある程度はその場でプログラムを提供できて、継続してトレーニングを続けてもらえることが使命です。しかし、プログラムを組む際の根拠、理由がたくさんあり、後輩の若手トレーナーやこれからトレーナーを目指す人たちにはその根拠や理由が分かりにくいかもしれません。特に、アスリートが怪我をしてから リハビリをし、競技に復帰するまでの間、段階的にトレーニングプログラムを組んで機能性を高めていく、いわゆる「アスレティックリハビリテーション」や、 一般中高年や低体力者に多く見られる機能低下を起こしている体を回復させるための「リコンデイショニング」のプログラムの組み方はかなり難しいかもしれません。最近では、一般人の機能改善 ・機能向上を目的としたクライアントが増えてきている現状に対して、

若手トレーナーや他の業界の人たちが一目見て理解しやすいような機能改善 ・機能向上のためのエクササイズのプログラミングの法則のようなものが必要です。

人間の体の機能性に着目し、より低い身体機能から、より高い身体機能へと順序立

ててトレーニングを進めていくエクササイズです。

身体パフォーマンス向上のためのエクササイズは以下の通りです。

  • プローシブ・・・弾む動き、素早い動きや爆発的な動きを獲得する領域
  • ストレングス・・・全身の基礎筋力、関節運動をコントロールする能力を向上させる領域
  • コアスタビリティーミ・・・脊柱~骨盤帯、肩甲帯にかけての安定性を獲得する領域
  • ムーブメン卜・・・日常生活やスポーツ活動をスムーズに行うための動きの準備を値する領域
  • アクティベーション・・・普段あまり働きにくい筋、 さぼっている筋を目覚めさせ、 活性化させる領域
  • リセット・・・普段から働きやすい筋、 過剰な緊張状態にあ品筋を緩める領域身体機能がより低い状態

アスレティックリハビリテーションの概念がベースになるのですが、それ以外にも、 1990年代初頭に日本に上陸した、素早い動きを身につけるSAQトレーニング、 2000年初頭から日本コアコンデイショニング協会が展開しているコアコンデイショニング 、巧みな身体動作を開発するコーディネーショントレーニング、さらにはここ数年の間にアメリカを中心に広がってきているコアパフォーマンストレーニングなどのメソッド概念でした。

  • リセットの領域・・・ここでは普段から働きやすい筋、過剰な緊張状態にある筋を緩める領域です。現代人は日常生活での活動量が減って、運動不足状態の方が増えてきていて、ある部分の筋肉はたくさん使われ、反対に別の部分の筋肉は使われずに弱ってきて、筋のアンバランス状態が目立ってきています。また、過度のストレスも、筋の過剰な緊張を

つくる原因のようです。使われすぎて過剰に緊張している筋肉を、様々なストレッチやボディーワークを行って緩めたり、様々な道具を使って緊張をリリースしていきます。

  • アクティベーションの領域・・・普段働きにくい筋、さぼっている筋を目覚めさせ、活性化させる領域です。活動量の減少や運動不足により筋のアンバランスを持った人が多く目立つようになってきました。アンバランスには、働きすぎる筋とそうでない筋があるわけですが、 この領域では、働きにくい筋、さぼっている筋を、様々なエクササイズを行うことで目覚めさせ、活性化していきます。要は、「使えていなかった筋」を「使える筋」にしていくわけです。
  • ムーブメントの領域・・・この領域では、日常生活やスポーツ活動をスムーズに行うための動きの準備をする領域です。歩いたり、しゃがんだり、立ち上がったりという

日常的な基本動作がスムーズに行えないと、疲労しやすくなったり、あちこちに痛みが出るといった症状につながりやすくなります。そこで、動的なストレッチや様々な「ムーブメン卜=動き」の工クササイズを行って、よい動きを獲得していきます。

  • ストレングスの領域・・・この領域では、全身の基礎筋力、関節運動をコントロールする能力を向上させる領域です。

これまで様々なところで行われてきた抵抗や荷重を利用した筋力トレー二ングを行うことによって、ボディーメイクをしたり、筋力アップをしたり、スポーツに適応させる領域になります。脊柱~骨盤帯、肩甲帯にかけての安定を獲得する領域です。 立つ、座る、歩く、ものを持つなど、日常のどんな動作を行う場合でも、骨盤帯~脊柱~肩甲帯の安定がとても大切な要素になります。この部分が安定していないと、腰痛や背部痛、首の痛みなども引き起こすからです。

この領域では、ピラティスやスタビライゼーショントレー二ングなどの体幹トレーニングや、バランスボールなど不安定要素を作り出すツールを用いたトレーニングを行うことで、腹横筋や多裂筋、横隔膜などのインナーユニットを鍛え、安定したコアを作ります。

  • エクスプローシブの領域・・・この領域では、弾む動き、素早い動きや爆発的な動きを獲得する領域です 。 いわゆるプライオメ卜リクスやクイックリフト、 SAQトレー二

ングといった反動を伴ったり 、スピーディーで切り返しのある動きのトレー二ングを行うことによって、より高い身体機能を引き出す領域です。この段階はアスリートには不可欠な領域です。また最近では、強度が低い弾み運動のようなものであれば、高齢者や低体力者にも効果的といわれており、広く取り入れられています。