グルタミン製造工場

ランニングをしているときのグルタミンの役割はどういったものがあるでしょうか。

グルタミンは「必須アミノ酸」のなかには入っていないわけですが、人間の体にとって最重要のアミノ酸であると同時に、大量に必要で

あるからこそ、 体内で作られているわけです。常に体内で作られているとはいっても 、ケガや運動など体が緊急事態と感じるような事態が生じ

ると、全身の免疫細胞が活発に活動し、大量にグルタミンを消費し始めます。そのため、体内で必要な量の「グルタミン」を作り切れなくなってしま

うことがあります。ランニングをしているときが、 まさにその状況です。

軽いジョギングを 4時間行うと1時間もすると血中のグルタミン濃度が下がって

きます。これは、骨格筋からのグルタミン供給が追いつかなくなってしまっているからです。そして走るのを

やめても、血中のグルタミン濃度はすぐには戻りません。このとき骨格筋は、自らが蓄えている筋タンパクなどを分解して、グ

ルタミンを作って全身に放出しています 。そういう状態で、運動していないのに血中のグルタミン濃度が低いままになっていま

す。このとき骨格筋は「グルタミン製造工場」となっていて、骨格筋自身のリカバリーはあと回しになってしまうのです。

グルタミンが免疫細胞や消化細胞のエネルギー源として使われているというのは、一般にほとんど知られていません。だからこそ、グルタミンが体の回復に重要なわけです。

長時間走っているとガクッとベースが落ち、胃腸が食べ物を受けつけないという状態になってしまった経験があるランナーは多いのではないでしょうか。こうなると、無理して食べてももはや消化・吸収はされず、苦しいだけです。こうならないために、長時間走るときには、炭水化物などのすぐに燃焼されるエネルギー源とともに、消化・吸収細胞のエネルギー源となるグルタミンを 上手に摂取しておくとよいのです。

また 、走り終わったあと、 血中のグルタミンが減少している状態をそのままにしておくと、骨格筋は自分の筋タンパクを分解して、胃腸など、ほかの組織が使うグルタミンを作ってしまいます。なるべく早く血中のグルタミン濃度を正常レベルに戻したほうが、骨格筋が余計なダメージを引き起こさず、回復を促進できるのです。

持久力を維持して、回復を促進するために、ランニングのときには、賢く、こまめにグルタミン補給を心がけるようにすることが大切です。