グルタミンの補給ペース

パーソナルトレーニングをする時はグルタミンの補給が重要ですが、たとえばランニングのときなどはどの程度のグルタミンを補給すればよいのでしょうか。トレーニング後のダメージを低減し、回復を促進するためにはグルタミンが欠かせないことは知っているという人は多いと思いますが、実際にはどのくらい必要なのでしょうか。

たとえば、体重が50キロであれば、全身の血液中に約350ミリグラムのグルタミンがあるといわれています。小麦グルテン加水分解物には3グラムで、約800ミリグラムのグルタミンが含まれており、これだけで全血液中の2倍のグルタミンが含まれているという計算になります。

ランニングをしながら1時間毎に3グラムずつ小麦グルテン加水分解物を摂取した人とそうでない人を比較すると、小麦グルテン加水分解物を摂取している人はグルタミンを維持できているのに、そうでない人は時間がたつにつれて減ってしまうことがわかったそうです。

また、小麦グルテン加水分解物を1時間毎に3グラム摂取する人と、そうでない人で超LSD(Long Slow Distance)をするという実験が行われたこともあります。このとき、どちらのグループも8人ずつでスタートしました。そして15時間が経った時、小麦グルテン加水分解物を摂取していたグループは7人残っていたのに対し、もう一方のグループは2人しか残っていなかったそうです。

また、通常のペースでレースを走った場合においては、1時間程度でもグルタミンが減ってしまうことが考えられます。したがって、事前に小麦グルテン加水分解物を摂取しておくと、グルタミンの減少が防げるでしょう。

小麦グルテン加水分解物とは

パーソナルトレーニングによって筋損傷や筋肉痛が生じることで、筋肉の成長を促しているとよくいわれます。運動により筋線維が損傷した時、回復後の筋線維が元の筋線維よりも太くなる「超回復という現象が起こります。一般的に、超回復はトレーンングの二日後からスタートすると考えられています。トレーニングをしてから二日ぐらいまでは、筋肉が回復どころの状態ではないからです。

そして、最近のノックアウトマウスを使った研究によると、筋肉の回復には炎症が必須のものではないとされているようです。炎症を抑えて、早く回復できるのであれば、そのほうが良いと思う人がほとんどでしょう。

最近、主に外科領域でグルタミン源として活用されている小麦グルテン加水分解物に、トレーニング後の筋損傷を少なくする効果があることが判明したそうです。元は長距離走で発見された効果ということですが、厳密に調べるために長距離走ではなくサッカーのミニゲームによって効果が検証されたことがあります。運動後に小麦グルテン加水分解物を摂取した場合と、プラセボを摂取した場合とを比較した調査が行われたのです。

ミニゲームで十分に筋線維の断裂も起き、白血球も血中に飛び出したところで、小麦グルテン加水分解物もしくはプラセボを取り入れ、翌日の血中クレアンチキナーゼを測定しました。運動後(WGHもしくはプラセボ摂取時)100として比較すると、調査の対象となった全員で、小麦グルテン加水分解物を摂取したときのほうが、プラセボを摂取したときよりも翌日のクレアンチキナーゼが低くなったそうです。

白血球のはたらき

パーソナルトレーニングをした翌日に、クレアチンキナーゼ(CK)のピークがくることを不思議に思う人もいるかもしれません。では、トレーニング後の体には、いったいどのようなことが起きているのでしょうか。

ランニングを行うと、体は「緊急事態」というような状態になります。交感神経が刺激されて、筋肉への血流が増加。反対に消化管への血流は減少します。さらに、筋肉では新たにモノを作る同化作用が停止し、蓄えていたグリコーゲンやタンパクを分解してグルタミンとして全身へ供給するようになります。

このような「緊急事態」においては、免疫細胞も刺激され、活性化した白血球が骨髄から血液中に流れ出します。ハーフマラソンなどをした後には、白血球の数が急上昇し、これは風邪をひいたり、ケガをしたりしたときと同じくらいの数になります。つまり、体はランニングの刺激を、外部から攻撃されているととらえて反応してしまっているということです。

ランニング際に増えた白血球は、全身を巡りながら外敵を探します。しかし、ただランニングをしているだけで攻撃を受けているわけではありませんので、白血球が戦うべきといえる相手がいないことになります。それでも白血球は、細胞が破壊されて中身が飛び出しているところを見つけます。それが、ランニングによって筋線維が損傷した筋肉というわけです。

白血球は筋損傷の起きている場所に集結し、見えない外敵を攻撃し始めることによって炎症が引き起こされるようです。

ランニングの際に意識すること

パーソナルトレーニングのために長時間のランニングをしていると、大幅にペースが落ちて胃腸が食べ物を受けつけないという状態になってしまった経験がある人もいるのではないでしょうか。こういった場合に無理して食事をとっても、消化吸収がされにくくて苦しいだけです。

これを防ぐために、長い時間のランニングをする時には、炭水化物などの燃焼されやすいエネルギー源とともに、消化吸収細胞のエネルギー源となるグルタミンを摂取しておくのが良い方法だと考えられています。また、走り終わったあとは血中のグルタミンが減少しています。この状態を放置していると、骨格筋が自身の筋タンパクを分解して、胃腸などのほかの組織が使うグルタミンを作ってしまいます。そのため、できるだけ短い時間で血液中のグルタミン濃度を普段通りの状態に戻したほうが、骨格筋が余計なダメージを引き起こさず、回復をしやすくする状態にすることができます。

持久力を維持したうえで回復を早めるために、ランニングをする際には、こまめにグルタミン補給を意識してみると良いかもしれません。

ランニングにかかわらず、運動をした後は筋肉痛になることがあると思います。この筋肉痛は、どういうメカニズムで起きるのでしょうか。ランニングを行うと、筋肉の収縮と弛緩などにより筋線維に小さな断裂が生じます。筋損傷が起きているかどうかは、いつもは筋細胞内にある酵素が血中に出てくるのを観察することで確認可能のようです。

グルタミンの役割

ランニングをしている時、グルタミンがどのような働きをしているのか知っていますか?グルタミンは「必須アミノ酸」ではありませんが、人間の身体にとってとても重要度の高いアミノ酸であると考えられています。さらに生きるうえで大量に必要でもありため、体内で作られているというわけです。

常に体内で作られているものの、ケガをしたり運動をしたりした時、体が「緊急事態と感じるようなことが起こると、全身の免疫細胞の動きが活発化してたくさんのグルタミンを消費していきます。こうなった時、体内で必要とされる量に十分なグルタミンが作れなくなってしまうことがあるそうです。その代表的な状態が、ランニングをしているときということです。

パーソナルトレーニングとして軽いジョギングを数時間行った場合、1時間もすると血液中のグルタミンの濃度が落ちていきます。なぜなら、骨格筋からのグルタミンの供給が追いつかなくなってしまうからです。しかも、ジョギングをストップしてもグルタミン濃度がすぐに元通りになるわけではないといいます。このとき、骨格筋は自らが蓄えている筋タンパクなどを分解してグルタミンを生成し、全身に送っています。この状態の骨格筋は「グルタミン製造工場」といったような形で、骨格筋自身の快復は後回しにされてしまうようです。

また、あまり知られていませんが、グルタミンは免疫細胞や消化吸収細胞のエネルギー源としても使われています。そのため、持続力維持や回復促進のためにはグルタミンは欠かせない存在であるといえるでしょう。

体幹トレーニング

スポーツにおいて、体幹が重要視されているということは多くの人が知っているかと思います。実際に、パーソナルトレーニングで体幹トレーニング(コアトレーニング)を取り入れる人が増え、指導者の数も増加しているそうです。

体幹トレーニングの中でも特に重要とされているものに、骨盤と肩甲骨の連動があります。ここでは、肩甲骨のリラックスモーション・リリースというものについて解説していきます。体幹トレーニングというと、多くの場合、体幹の筋力を増強するためのコアストレングスが行われますが、この肩甲骨体操のポイントは、コアリリース・コアコーディネーション・コアフレキシビリティを重視したところです。このメソッドは、それまでに存在していたメソッドでは体幹トレーニングに対して不十分であるという考えから生まれたそうです。

また、この肩甲骨体操は、側方宙返りのようなアクロバティックな技に失敗して、右肩の亜脱臼などの大ケガをした人が、そのリハビリテーションとして可動域の向上と、肩甲骨の操作感覚の回復ために行ったものでもあるようです。その人は成人になってからの大きなけがから後遺症もなく回復できたのは、このプログラムを行ったからだと語っています。

肩関節周囲炎などの痛みは、QOL(Quality Of Life/生活の質)を著しく低下させるおそれがあります。また、ストレスや神経痛が原因で痛みが生じることもよくあると思いますが、筋力のバランスが取れていないことや部分的なタイトネスが原因なのであれば、解剖学的な視点から痛みをなくすことができる可能性もあるそうです。

トレーニングと足

「足」はまさに、体の土台といってもよい部分です。土台がしっかりしていないと、パーソナルトレーニングはもとより、歩いたり走ったりという普段の動作も正しく行うことができなくなってしまうおそれがあります。足はそれほど重要な部分であるにもかかわらず、軽く考えられることが多いと思います。

そして、この足の問題を考えるときに忘れてはいけないのが靴の問題でしょう。こうした問題に立ち向かうためには、どのような知識が必要なのでしょうか。パーソナルトレーニングを教える側だけでなく、学ぶ側も覚えておけばきっと役に立つと思います。

最近は、身体の状態や動きを考えた靴の専門店や、正しい靴選びをサポートしてくれる専門家などもいるそうです。中には、かつてはスキー用品の販売を行う会社で、選手を対象とした販売促進の仕事などをしていたという男性がいます。彼は仕事の中で選手のスキーブーツの調整をすることがあり、スキー靴があたるという選手の靴を削ってあげることもあったそうです。しかしある時、いくら削っても足があたるというトラブルに出くわしました。その時、選手に合わせたインソールを製造して入れてあげると、削る手間が大幅に減ることがわかったそうです。当時、彼の頭のなかには靴自体というより、体に問題があるのではないかという考えがあったといいます。そこで、彼は身体のことをいろいろ勉強したり、トレーナーの人たちからいろいろ教わったりしたそうです。

転倒予防のエクササイズ

歳を取ってくると、今までになかったような転び方をすることがあるかもしれません。ただころんだだけでも重大なケガにつながるおそれがあるので、日々のパーソナルトレーニングで転倒予防のエクササイズをしておくのがおすすめです。

転倒予防のための補助的なエクササイズに、座って行えるものもあります。座った状態でかかとを上げたり下げたりするというものです。筋肉の動きを意識しつつ、かかとの上げ下げにそれぞれ24秒かけましょう。その際、かかとが最も高くなった位置で1秒ほど静止させると効果が上がるそうです。このエクササイズの目的は、ヒラメ筋を中心とする下腿部の筋力強化と、足首の関節可動域を拡げることですが、「つま先で床を押す感覚や」筋肉の動きを足首に適応させるという効果も期待できるといいます。1020回を13セット行うと良いでしょう。

座った状態でできるエクササイズは他にもあります。椅子に座り、つま先の上げ下げを行うというものです。つま先を目一杯上げたところで、1秒静止させます。傷害のリコンディショニングや、高齢者・低体力者の転倒予防の効果があるそうです。1020回を13セット程度行えば大丈夫です。

立った状態で行うのであれば、壁に軽く手を置いてバランスをとりながら、立位の姿勢でかかとの上げ下げをするエクササイズがおすすめです。かかとの上げ下げには、それぞれ24秒かけてかかとが一番高くなったところで1秒静止させましょう。

変形性膝関節症とは

変形性関節症の予防、改善を目的としたリコンディショニングプログラムを提供するためには、まずは何
よりも変形性膝関節症に関して理解を深めなければならない。もちろん、
パーソナルトレーナーは医師ではなく、変形性膝関節症の診断行為を行うわけではないが、この疾病に関し
て充分に理解していないと、適切なリコンディショニングプログラムを提供することはできない。そこで、以
下に変形性関節症について簡単に解説していこう 。変形性膝関節症とは関節軟骨がすり減り、膝関節が変形してしまう整形外科的疾病である。加齢に伴う大腿山頭、筋の萎縮によ って関節軟骨に過度な負担がかかり 、関節軟骨の表面に傷がつくところから進行していくと認識されているが、変形性関節症の発症メカニズムは明硲に解明さ
れているわけではない。これまでに報告されている仮説として、何らかの理由によって軟骨下骨に微小な骨
折が生じ、その結果として関節軟骨に傷がつくのではないかというものもある 。いずれにしても 、大腿四頭筋
の筋力低下、萎縮が関節 次骨に大きな負担をかけることは間違いなく 、大腿凹頭筋の状態と変形性関節症の
聞には密接な関係がある。
膝関節のアライメント不良 (内反、外反、 等) のために早期から発症することもあるが、多くは加齢に伴う筋の萎縮、機能低下による伸展制限と筋出力低下 によ って、60 歳を過ぎてから顕著に認められる。放置した場合、症状は進行していき、その進行度は一般的 に「初期」「進行期」「 末期」の3段階に分類されている (初期の前段階と して 「前期」を入れた 4段階で分類することもある ) 。

段階的リコンディショニングプログラムを作成する

リコンディショニングプログラムを提供していくうえで最も重要なポイントとして 、段階的なプログラムを作成
することが挙げられる。特に、 下肢のリコンディショニングプログラムについては、立位における身体の機能
を充分に考慮した段階的プログラムを作成しなければならない 。すなわち、 荷重下における単関節運動から、荷重下における多関節運動へと 、段階的に プログラムを 漸進させていかなければならない。

大腿凹頭筋、特に内側広筋の萎縮、機能低下がみられることから、 変性膝関節症を改善するためには内側
広筋を中心とする大腿凹頭筋の筋力強化が重要であるとされている。しかしながら、ただ単に内側広筋を中
心に大腿四頭筋の筋力を高めればよいわけではない。内側広筋は膝関節に関わる 一関節筋の一つであり 、重
力対応を担いながら膝関節の安定性 をもたらす役割をになっている。すなわち 、立位活動時において動力、推
進力をもた らす役割を担う大腿直筋の筋活動に合わせて膝関節を安定させる作用を持つ。こうした機能を考慮し 、多関節エクササイズによる筋力強化を行うことが必要不可欠であると考えられる。
しかしながら、荷重下での多関節エクササイズをいきなりリコンデイシヨニングプログラムに導入しでも 、効
果があがらないばかりではなく、症状、状態を悪化させてしまうことになりかねない。なぜなら、身体にトラブ
ルや痛みを抱えている人の多くは、多関節、複合的な動きにおいて動員される筋の動員パターンが乱れてお
り、特定の筋の収縮力の低下といった課題を抱えているケースが多いからである 。そのような状態でいくら多
関節エクササイズを行っても、それらの課題を改善する ことはできないのである。特に、重力対応を担う一
関節については、重力関与が大きい荷重下では仮に動員パタ ーンが不適切であろうが、重力に抗うために動
員されることを余儀なくされる。そのような状態では充分なアプローチが不可 能となり、改善が期待できない。